『エンドオブライフケア学 “自分らしく生きる”哲学』が刊行されました。
2024年8月16日
人文社会科学分野の専門家による20の観点から「人間」に焦点を当て、エンドオブライフケアの本質を探る。
本書は哲学・死生学・医療人文学・臨床宗教学など、人文社会科学分野の専門家による20の観点から、エンドオブライフケアについて探求します。
自分はどう生きたいか、人生とどう向きかうのか、人生の最期をどのように迎えたいのか、その際に、どんな医療やケアを受けたいか――「最善の生を生ききる」人とそれを支援する人の一助となる一冊です。
主な内容
はじめに 浅見洋
序章 エンドオブライフケアとは何か
エンドオブライフケアの概念と学際的アプローチの重要性:長江弘子
1章 エンドオブライフケアの概念とその背景となる人間の死生
1 エンドオブライフケアの基盤にある哲学と人間理解――最期までその人の尊厳を支えるホモ・クーランスの哲学:浅見洋
2 対話を通して生と死を学び合う――これからの死生学のために:竹之内裕文
3 日本における「望ましい死」の概念と死生観:高橋在也
4 その人らしい死の実現へのケア――限界状況においても実現できる意味と価値:牧野智恵
5 エンドオブライフを暮らす――老いと終末期を支える住まい:市川秀和
2章 エンドオブライフケアにおける倫理的・法的視座と人間の尊厳
1 意思決定支援における倫理:鶴若麻理
2 エンドオブライフケアにおけるナラティヴ・アプローチ:足立智孝
3 死を迎える人の嘆きと願いを聞く対話:岡田圭
4 住み慣れた地域で、最期まで自分らしく尊厳を持って生きる:片山陽子
5 晩年を支える法――人間の尊厳の法的保護をめぐって:深谷格
3章 エンドオブライフケアを支えるコミュニティと社会活動
1 学びと対話の場を創る――エンドオブライフをめぐる生き方の理解と共有をめざして:高橋在也
2 喪失と死を共に受け止め、助け合って生きる――コンパッション都市・コミュニティという試み:竹之内裕文
3 「証言」としての病いの語り――死にゆく人の語りをどう聞くか:田代志門
4 現代の「死別を支え合う地域コミュニティ」の形成――病気で家族を失う人へのサポート:小野若菜子
5 臨床宗教師によるスピリチュアルケアとグリーフケア:谷山洋三
4章 歴史の中を生きる私たちの心とエンドオブライフケア
1 終末期ケア・ホスピスケア・緩和ケア、そしてエンドオブライフケアの展開史:平原佐斗司
2 現代における日本人の死生観とエンドオブライフケア――死生観の多様性と個別性に配慮する:浅見洋
3 高齢者の将来の語りからみる心理:島田千穂
4 老いから死に至る過程における意識――〈迷惑〉意識をめぐって:本村昌文
5 エンドオブライフケアと「生きがい」の概念:蘆野吉和