加藤泰史編『問いとしての尊厳概念』法政大学出版局が刊行されました。
2024年3月19日
第Ⅰ部 原理的考察
1 看護倫理学と「高齢者の尊厳」の問題・序説(加藤泰史)
2 批判の根拠──社会的正当化秩序における人権概念について(ライナー・フォアスト/桐原隆弘゠訳)
3 尊厳へのケイパビリティと公共的相互性(後藤玲子)
4 人間の尊厳はくるむようにして守られる(品川哲彦)
5 「尊厳」概念の不確定性をめぐって(宇佐美公生)
6 被造物の尊厳──比較衡量可能な内在的価値の可能性(岩佐宣明)
7 尊厳の崇高論──崇高としての尊厳と価値の問題(高木駿)
第Ⅱ部 欧米圏の概念史的考察
1 プラトンにおける「魂の尊厳」(齊藤安潔)
2 カントにおける尊厳と教育(ヨハネス・ギージンガー/柳橋晃・片山勝茂゠訳)
3 ハイデガーは人間にいかなる尊厳を見出しているのか?(森永駿)
4 人間の尊厳とは、権利をもつ権利である──誤解されてきたボン基本法のメッセージ(クリストフ・エンダース/吉田量彦゠訳)
5 一九四五年以後の人間の尊厳──人権史における一つの激変がもたらした、さまざまな帰結について(アルント・ポルマン/吉田量彦゠訳)
第Ⅲ部 非欧米圏の概念史的考察
1 生まれてこないものの尊厳──仏教と反出生主義(前川健一)
2 グローバル化萌芽期における霊魂の不滅に関する言説をめぐって(武田祐樹)
3 日本の近代化における女性の尊厳意識への目覚め(上原麻有子)
4 関係概念としての〈尊厳〉──『ひかりごけ』と『バートルビー』における〈食〉と〈生〉の共振をめぐって(ギブソン松井佳子)
5 春秋学の微辞と中華の復興(小島毅)
6 儒教的表現意識と個の表白──「詩言志」理解の変化をめぐって(牧角悦子)
7 中国古典哲学における人間の尊厳の観念──儒教思想の再構成(張千帆/高畑祐人゠訳)
8 オスマン社会における「尊厳」(小松香織)
◎参考資料「尊厳概念のグローバルスタンダードの構築に向けた理論的・概念史的・比較文化的研究」活動記録(齊藤安潔・小倉康寛・森永駿・加藤泰史゠編)
編者後書き それでもなお、「尊厳ある社会」の構築に向けて(加藤泰史)
執筆者・訳者紹介